サーマルカメラメーカー・製品一覧！概要や用途、種類などについても解説

サーマルカメラの特徴

サーマルカメラは、物体から放射される赤外線を検知して温度分布を可視化する装置です。可視光を捉える通常のカメラとは異なり、サーマルカメラは「熱」を見ることができます。近年の技術進化により、より小型かつ高性能なモデルが登場し、産業用途から一般消費者向けまで幅広く利用されています。「熱を色で表現する目」とも言えるこの技術は、私たちの目には見えない世界を明らかにしてくれます。それでは、サーマルカメラの主な特徴を詳しく見ていきましょう。

高精度な熱検知性能

現行の産業用サーマルカメラの温度精度は±2 ℃または測定値の2%が一般的です。ただし、黒体基準を併用する医療・検温モデルでは±0.3 ℃程度まで高められた製品もあります。

測定温度範囲は標準モデルで‐20 ℃〜650 ℃程度ですが、ハイエンド機では高温オプションを追加することで‐20 ℃〜2000 ℃まで拡張可能です。

検知素子は非冷却型VOx／a-Siマイクロボロメーターが主流で、解像度は640 × 480 pxが一般的、ハイエンドでは1280 × 1024pxのセンサーも登場しています。

リアルタイム画像処理技術

最新モデルは専用DSPやFPGAを搭載し、640 × 480 pxクラスで最大60 Hzのリアルタイム熱画像を出力できます。高解像度センサー（≥1280 × 1024 px）の場合は処理負荷の関係で30 Hz前後に制限されることが一般的です。

AGC（自動ゲイン制御）とDDE（デジタルディテール強調）によりコントラストが最適化され、機械学習ベースのデノイズも採用され始めています。これにより低コントラスト環境や雨天でも細かな温度差を判別しやすくなりました。

サーマルカメラの距離

サーマルカメラは物体から放射される熱（赤外線）を検知して画像化する装置です。その測定可能な距離は機種によって大きく異なります。

一般的な民生用モデルでは数メートルから数十メートル程度ですが、高性能な産業用モデルになると「数百メートル先の温度変化も正確に捉えられる」性能を持つものもあります。距離が離れるほど精度は落ちるため、用途に合わせた適切な機種選びが重要になってきます。

サーマル カメラの画像

サーマル カメラの画像は、物体から放出される熱（赤外線）を可視化したものです。通常のカメラでは見えない温度差を色の違いで表現するため、「目に見えない熱の世界を見える化する技術」として注目されています。暗闇でも撮影でき、物体の表面温度を非接触で測定できるのが大きな特徴です。最近では、スマートフォンに接続できる小型のサーマルカメラも登場し、一般の方でも手軽に熱画像を撮影できるようになりました。

サーマルカメラと赤外線カメラの違いとは

サーマルカメラと赤外線カメラは、どちらも熱を検知する装置ですが、仕組みが異なります。

サーマルカメラは物体から自然に放出される熱（赤外線）を直接検知して温度分布を可視化します。一方、赤外線カメラは「近赤外線を照射して、その反射光を捉える」仕組みで、暗闇でも物体の形状を撮影できます。

簡単に言えば、サーマルカメラは温度を"見る"装置、赤外線カメラは暗闇を"見る"装置です。